電気治療器(低周波・SSP等)の効果的な使用法の提案(4/6ページ)

<注意>ここに挙げる通電方法は現在当院において行っていませんが、適当に電気治療器を取り付けるよりはるかに効果的なので掲載を継続しています。

<効果的な導子の配置の仕方>

(C)体幹部や首の痛みに対して@(五行説の相生関係を用いた全身的アプローチ)

次は体幹や首や臀部の痛みについてです。
体幹や首に疼痛に対しても今まで通りのやり方同様、疼痛がどの経脈上にあるかを考え、その経脈と五行説の母と子の経脈を使うことで効果的に疼痛を取除けます。くどいようですが、脈診が出来れば異常経脈を探すのは一発です。是非、FTを知って頂きたいのですが、出来なければ経絡図を見て、経絡の線上や正経の名前の付いた兪穴に圧痛があればその経脈を異常経脈と考えます(下左図)。または、背部側面の様な経脈が描かれていない部分に疼痛があるときは、「その圧痛から脊柱に向かって真横にたどっていった先の兪穴」か「同じ肋間上の兪穴」に圧痛があるはずですので、その経脈の異常と考えると上手く行きます(下右図)。背部側面の疼痛は、胆経とか肝経とか膀胱経の異常として治療しても上手くいきません。兪穴の圧痛は膀胱経上にありますが、膀胱経への治療では上手くいきません。また、督兪や隔兪や「正経の名前でない兪穴」の圧痛は、この正経へのアプローチでは上手くいかないので、次の頁で対処のしかたを説明します。

<体幹の痛み>
まず、その圧痛がどの経脈に関係するか考えます。ためしに、下図のような疼痛の場合を考えます。

この場合の痛みは兪穴への対処で解決されます。どの兪穴を含む経絡に治療を加えるかは、先に説明したとおりです。疼痛部に関係の有りそうな兪穴を一つ一つ押して、「痛い」「気持ちい」「何とも無い」を聞いていきます。ここで要注意ですが、強く緊張している経穴は、1秒くらいの押圧では感じてくれません。主訴を聞き経験的に「ここは痛いだろう」と思っても「痛くなも何とも無い」と答えが返ってきた場合は、もう少し、時間をかけて押し続けてみてください。本当に病んでいる所を見逃すと効果は半減です。そして、最大に圧痛を訴えるところの経穴を含む経脈を異常経脈と考えて、五行説に則って治療計画を考えます。そして、先に説明したとおり、この場合、胃兪と肝兪に圧痛がありそうです。もし、片方だけに圧痛があれば、それの属す経脈へ五行説を使い治療すれば解決します。両方に圧痛がある場合は、この場合は多分、心経か小腸経が病んでいる為です。胃経と肝経はそれぞれ「火の経絡」の子と母の関係にある経脈です。肝兪と胃兪の圧痛は小腸経か心経の異常を表しているものと推測できます。なので、着目するのは、圧痛のある肝か胃ではなく心経か小腸経で、この場合経験的に心兪の方に圧痛がありそうなので、心経を中心に五行的治療をしたいところです。このように、複数圧痛点がある場合は、全て関連付けると上手くいきます。また、問題の兪穴へ的確に対処できたならば、脇腹の疼痛は触れずに治ります。
話を戻して、調べた結果、「一番痛いと主張する」経穴が胃兪だったとします。ならば、五行の考えを当てはめて「母である心経の『心兪』」「子である大腸経の『大腸兪』」「胃経・脾経の『胃兪』と『脾兪』」「大腸経の同名経の胃経の絡穴」を治療穴に選びます。
とすると以下の様にセッティングすることになり、主訴部のみに当てるより絶大的に効果的です。大腸経は足にないので、胃経で代用します。脾兪と胃兪は近いので、どちらか痛いほうでいいのではないでしょうか。
その他の兪穴に最大圧痛点がある場合も、とにかく「木→火→土→金→水」の五行説相生関係での補瀉を考えてくださ。もし木の肝兪や胆兪に最大圧痛点があれば、木の母の水の腎経の経穴で補して、木の子の火の小腸か三焦でシャすれば良いのです。母で補で子で瀉です。
適格に当てられたなら、患者はすごく気持ちよくなれます。そして、数回の治療の後、早期に主訴が取除かれます。

<頚部の痛み>
もし、この人が「実は、首も寝違えているんです」と訴えたら、扶突あたりか大腸経沿いに痛みがある可能性が高く有ります。
痛みは、結構、五行の法則に則って存在しています。胃諭に最大の圧痛がある場合は、火→土→金のどこかに首の痛みが潜んでいると推測できます。
また、頚部の痛みだけを訴えられた場合でも、背部の最も圧痛のある兪穴と関連させましょう。これも、首だけに電気をつけるより,断然効果的です。
話を戻して、たとえ後頚部に痛みを訴えても、大腸経を触診して圧痛を見つけたら、ついでに、扶突もしくはその他の大腸経沿いの痛点に取穴します(下記図参照)。後頚部と大腸経の圧痛を比較して断然大腸経の圧痛が強ければ、読みが正解である可能性はかなり高いです。
ただ、この場合、異常経脈を圧痛で決定した不完全な見立てなので、もしかしたら脈診をしたら大腸の実とかで膀胱経も操作しないと思わしくない場合だったかもしれません。この様に、体に複数の痛みがある場合や、背部の兪穴に沢山の同程度の圧痛部がある場合などは、圧痛にたよる診断では確実な治療は望めません。当てずっぽうになってしまいます。もし、あたりが外れれば、効果は半減です。確実な疼痛除去を望むならば、痛みが見えないとどうにもなりません。やはり、「完璧で確実」を望むならFTが必要です。といっても、FTが出来なくとも圧痛だけで証を決めても、患者の言い成りに適当につけた低周波治療よりは断然効果的なのは間違いありません。

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